ドクターズコラム

ハートケア情報委員会のドクターが狭心症・心筋梗塞の治療法など、狭心症・心筋梗塞に関するさまざまな情報をお伝えします。

第19回 心臓病の検査 実際に受けると・・

財団法人心臓血管研究所所長 相澤忠範

●会社の人間ドックでは特に心臓に異常があるとは言われません。心臓病検査など受ける必要はないですよね?

財団法人心臓血管研究所所長 相澤忠範 最近、一般の方々の検査に関する関心が非常に高まっていますが、いまだに誤解があるのが、通常の人間ドックでは、明らかにならない重病もあるということです。心筋梗塞にかかったことのある人は痕跡が残るため、通常の心電図で分かります。しかし、代表的な狭心症である、動くと発作が出るタイプの労作性狭心症は、運動負荷試験をやらないと症状がでません。従って、人間ドックでやるように横になった状態の心電図検査や通常の胸部レントゲンでは分からないということです。つまり、その次のステップである、心臓ドックでないと狭心症は判断できないということです。ですから、家族に狭心症や心筋梗塞の方がいらっしゃる、なんとなく息苦しいなど気になる症状がある場合は、積極的に心臓ドックを受ける必要があります。心臓ドックは症状があれば健康保険が適用されますので専門施設を受診しましょう。


●心臓病の検査には色々あるようですが、痛みはあるのでしょうか。簡単に受けられるものがあるといいのですが。

 いちばん簡単にできる検査といえば、ベルトの上に乗って歩いたり(トレッドミル法)、自転車をこいだりして(エルゴメーター法)、少し心臓に負荷をかけて脈を増やし、血圧をちょっと上げるという「運動負荷心電図検査」です。狭心症にかかっている場合は、負荷をかけることによって心電図に異常がでます。針を刺したり、切ったりする検査ではありませんので、痛みはありません。尚、手足が不自由な方は、ほんの少量の薬を使用することで似たような状況をつくりだす「心臓核医学検査」で診断することができます。心臓核医学検査も運動負荷心電図検査と同様に、痛みはありません。ここで、明らかな異常が見つかった時点で、次の詳しい検査になります。
 入院などせずに外来で、冠動脈そのものの画像を見たいとのことであれば、冠動脈造影CTがあります。狭いところが実施に悪さをしているかどうかは、先ほどの心臓核医学検査もしくは心臓MRIでわかります。また、薬を使った負荷心エコーも高い精度で診断することができます。どの検査をとってみてもそんなに痛みはありません。これらは、運動負荷心電図検査の次の段階の検査といえます。

●やはり検査の費用が気になります。

 特に症状がなくて、自己負担で検査を受ける場合は、一般的な心臓ドックで2~5万円ほどになります。医療機関によって、費用・検査項目とも異なりますので、あらかじめ確認してから受けるようにしましょう。尚、繰り返しになりますが、症状がある場合は保険診療が可能となります。
 最近は、自己負担であっても検査を受ける人は増加しているようで、ビルに入っているクリニックなどで、最新の冠動脈CTを取り入れているところなどは、けっこう予約が入っているようです。ただし、CTは被曝線量の問題がありますので、むやみに受けるのも危険です。明らかに狭心症が疑われる場合を除いては、心エコー検査・運動負荷心電図検査が最初のスクリーニングになるでしょう。心臓といえば命にかかわりますので、前向きに検討してみましょう。

財団法人心臓血管研究所所長 相澤忠範
【プロフィール】
福島県立医科大学卒業。東京医科歯科大学医学部付属病院、平塚市民病院循環器内科を経て、1979年から(財)心臓血管研究所付属病院
勤務。2005年より、同研究所所長。
大学卒業以後40年間、心臓カテーテル検査および治療に従事。虚血性心疾患における心臓カテーテル治療、冠動脈インターベンションに造詣が深い。

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