ドクターズコラム

ハートケア情報委員会のドクターが狭心症・心筋梗塞の治療法など、狭心症・心筋梗塞に関するさまざまな情報をお伝えします。

第13回 心臓病の概要 それぞれの病気の関連性について

財団法人心臓血管研究所所長 相澤忠範

●心臓病には大きく分けてどのようなものがあるのでしょうか?

財団法人心臓血管研究所所長 相澤忠範 心臓病は大きく、先天性のものと後天性のものに分けられます。先天性のものは、生まれつきのもので、主に小児医療の対象となります。最近話題になっている心臓病は後天性のもので、そのなかでもとりわけ、動脈硬化に関連する冠動脈疾患が問題となっています。なぜなら、その多くが生活習慣に由来して発症する病気だからです。
 後天的な心臓病としては、他に心臓弁膜症、心臓の筋肉に異常が生じる心筋症、心臓が不規則に動くようになる不整脈があります。不整脈には、冠動脈疾患・心臓弁膜症・心筋疾患に関連して発症する場合と、独立して発症する場合とがあります。

●それぞれの病気に関連性はありますか?
 
 関連する場合としない場合があります。まずは心臓病を大きく、冠動脈疾患・弁膜症・心筋疾患・不整脈と捉えるとよいでしょう。
狭心症や心筋梗塞など冠動脈が悪くて心臓の筋肉に十分な血液が行き届かず、結果的に心筋症になるときは、虚血性の心筋症といえます。これは、冠動脈の病気が非常に進んだ形であり、冠動脈疾患ということになります。
 一方、冠動脈疾患が無いにも関わらず、心筋自体に異常が生じ、長い経過のうちに心不全になるという心筋疾患(心筋症)もあります。心筋症のうち、心臓の筋肉がどんどん厚くなり、心室が狭くなるのが、肥大型心筋症と呼ばれるもので、厚生労働省から難病に指定されています。また、心臓の筋肉が薄く伸びて心室が広がって行き、心臓そのものが大きくなってしまうのが拡張型心筋症です。これらの心筋症は、最終的に心不全という状態になり、命に関わる不整脈も引き起こす場合があるのです。
 不整脈には、冠動脈疾患などが原因で、心臓の電気信号に異常が発生し、心臓が止まってしまう心室細動などの不整脈もあれば、冠動脈疾患やはっきりした心筋症はないにも関わらず、発症する不整脈もあります。心室細動は、全身に新鮮な血液を送り出す心室が細かく震えて、十分な収縮・拡張運動ができなくなるため、全身に血液が行き届かなくなってしまう状態で、すぐに救命措置をとらなければ、数分で死に至る非常に危険なものです。その他の不整脈には、睡眠不足、ストレス、喫煙などの生活習慣が原因で引き起こされるものもあり、すぐに死につながるものばかりではありません。ただし、やはり心臓の病気ですので、十分に注意する必要があります。例えば、心房細動はすぐに死につながるわけではありませんが、心房内に血栓ができやすくなり、脳梗塞など、他の血管病を引き起こすことがあります。
 心臓病は、単独で捉えるのではなく、からだ全体を張り巡らしている血管病の一種で、その中に、心臓があり、心臓病の中にもいろいろなメカニズムがあると考えるとよいでしょう。


財団法人心臓血管研究所所長 相澤忠範
【プロフィール】
福島県立医科大学卒業。東京医科歯科大学医学部付属病院、平塚市民病院循環器内科を経て、1979年から(財)心臓血管研究所付属病院
勤務。2005年より、同研究所所長。
大学卒業以後40年間、心臓カテーテル検査および治療に従事。虚血性心疾患における心臓カテーテル治療、冠動脈インターベンションに造詣が深い。

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