危険因子(冠危険因子)
虚血性心疾患を引き起こす原因となるものを危険因子と呼び、高血圧、高脂血症(脂質代謝異常症)、糖尿病、喫煙、BMI25以上、ストレス、運動不足、遺伝要素が危険因子とされています。危険因子が複数重なることで虚血性心疾患にかかる確率が飛躍的にあがり、2つある人は約6倍、3~4つある人は約36倍と何乗にもなります。
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虚血性心疾患を引き起こす原因となるものを危険因子と呼び、高血圧、高脂血症(脂質代謝異常症)、糖尿病、喫煙、BMI25以上、ストレス、運動不足、遺伝要素が危険因子とされています。危険因子が複数重なることで虚血性心疾患にかかる確率が飛躍的にあがり、2つある人は約6倍、3~4つある人は約36倍と何乗にもなります。
血管内に血栓ができることを防ぐ薬を服用することを抗血小板療法といいます。PCI治療の際にステントを留置する治療を受けた場合は、クロピドグレル硫酸塩もしくはチクロピジン塩酸塩を約1年間服用することと、アスピリンを無期限に服用することが推奨されています。尚、服用期間は、それぞれの患者さんの状態によってことなりますので、ご自分で判断せず、必ず医師の指導に従いましょう。
ステント治療後や冠動脈バイパス術後は、ステントの留置部やバイパスのつなぎ目に血栓ができて血管が詰まりやすくなります。それを防ぐため、血液が固まりやすくなるのを抑える血小板剤が処方されます。それが、クロピドグレル硫酸塩やチクロピジン塩酸塩(塩酸チクロピジン)です。副作用として肝臓のはたらきが悪くなったり、白血球の数が減少したりすることがあるため、服用に当たっては、医師の指示にしたがって血液検査を受ける必要があります。
動脈硬化が進行し、血管が完全に詰まってしまった状態のことをいいます。
血液成分から生成される血のかたまりです。動脈内にできたプラークが破たんすると、その部分にできやすくなります。
狭心症・心筋梗塞の二つをまとめて虚血性心疾患と呼びます。動脈硬化が進むことにより、心臓の主な3本の血管である冠動脈(心臓の伸縮のために使われる心筋に血液を運ぶ血管)が狭窄(狭くなる)し、心臓に十分な血液が供給されなくなる疾患です。日本では100万人以上の患者さんがいると推定されています。
鼠径部(ももの付け根)の大腿動脈などの血管を通して身体の中に挿入して、検査や治療などを行う細い管です。素材はじょうぶなビニールで、直径が2~3㎜程度の太さ、長さは100~120㎝程度です。細く、操作時にカテーテルの先端に動きがスムーズに伝わらなくてはなりません。心臓カテーテル検査や冠動脈インターベンションなどに使われます。カテーテルを挿入する部位は、大腿動脈のほか、ひじの内側にある上腕動脈、手首からの橈骨(とうこつ)動脈など患者さんの状態や病気の状態から医師が判断します。
心臓は心筋と呼ばれる筋肉からできており、心臓が休みなく働くためには心筋自体にも栄養と酸素が必要です。それらを心筋に運ぶ血管が冠動脈(冠状動脈)です。冠動脈は心臓を出てすぐの部分から右冠動脈と左冠動脈の2本に分かれ、さらに左冠動脈は前下行枝と回旋枝の2本に大きく分かれます。つまり冠動脈は合計3本あることになります。心臓という王様を取り囲む冠のような形をしていることからこう呼ばれます。
開胸手術をせずにカテーテルをX線透視下で冠動脈の中に進めて治療する方法です。先端にしぼませた状態の風船(バルーン)やステントをつけたカテーテルを血管の中を通して狭くなった部分まで進め、内側から膨らませて冠動脈の流れを回復させます。全身麻酔や人工心肺の必要がなく患者さんの意識がある状態で行われ、所要時間も通常、数十分から1時間程度で終了しますが、再狭窄の可能性が課題とされています。治療は循環器内科医(心臓内科医)が担当するのが一般的です。
マルチスライスCTで冠動脈の状態を調べます。マルチスライスCTは従来のCTに比べ、撮影時間が短く、画像の空間分解能がアップしたCTで、動脈硬化組織が硬いか、柔らかいか、石灰化があるかなどの情報も得ることができます。
心臓カテーテル検査の一種で、左心カテーテル検査の一部です。直径2㎜程度のカテーテルを冠動脈の入り口まで挿入し、その先端から造影剤(写真に写る液体)を流し込んで動画として撮影します。冠動脈に狭くなったり詰まった部位がないかを調べ、狭心症や心筋梗塞などの病態を正確に把握し、治療法を決定するために欠かせない検査です。冠動脈インターベンションにおいても、狭くなった部分が十分拡張したかどうかを調べるために、冠動脈造影検査で確認しながら治療をすすめます。
冠動脈の狭くなった部分はそのまま残し、その先に別の血管をバイパスとしてつなぐことで血液を流す手術です。バイパスには内胸動脈、胃大網動脈など身体の他の部位からとった血管を使います。全身麻酔をかけて心臓外科医が行う開胸手術のため、手術時間も3時間から10時間にも及びます。患者さんの身体的負担も大きく、入院日数も長くなりますが、再狭窄の可能性は低く、完全血行再建が可能です。
動脈硬化が起こり、だんだんと血管壁が厚くなって血液の通り道が狭くなってしまうことをいいます。冠動脈において血液の通り道が3分の2以上狭くなると、そこから先に血液が十分にいきわたらなくなり、はげしい胸痛が起こり狭心症や心筋梗塞に至ります。
動脈硬化によって冠動脈の血管壁が厚くなり、血液の通り道が狭くなって心筋に十分な血液が流れなくなる状態をいいます。心筋が一時的に酸素不足となり、必要な栄養や酸素がなくなってうまく働けなくなります。胸のみずおち付近、のど、背中などに圧迫されるような痛みが繰り返し起こるのが特徴ですが、冠動脈は完全に閉塞しているわけではないので心筋が壊死に陥ることはありません。これが心筋梗塞との違いで、発作は長くても15分以内におさまります。安静時狭心症と労作性狭心症に大別されます。
循環器系の胸部X線検査では、心臓の形、大きさ、大動脈の状態、心疾患などによる肺うっ血などの異常、ペースメーカーの電極や挿入されたカテーテルの先端の位置などがわかります。
虚血とは、動脈が詰まって臓器などに流入する血液が著しく減少した状態のことで、虚血性心疾患は心筋に酸素や栄養を送る冠動脈の血流が悪くなるために起こる病気をいいます。狭心症と心筋梗塞に大別できます。
心臓から送り出される血液が動脈の血管に加える圧力のことです。健常な成人の安静時では130/85㎜Hg前後です。血圧検査などでは上の血圧、下の血圧といういいかたをしますが、前者は収縮期血圧といって心臓が収縮して血液が送り出されたときの圧力、後者は拡張期血圧といって心臓が拡張して血液を送り出すのを休止しているときの圧力をさします。血圧は常に一定なわけではなく、その人の活動状況によって大きく変動します。運動時や精神的緊張のほか、腎臓病や動脈硬化のあるときなどに上昇します。
通常3層に分かれており、いちばん内側には内皮細胞とよばれる多機能の細胞がびっしりと覆い、内膜を形づくっています。内皮細胞は血栓の形成を抑え、血圧や血流、酸素濃度などを感知して一酸化炭素などさまざまな物質をつくり、血管の収縮を調節するセンサーのはたらきをします。第2層は血管を収縮させるはたらきがあります。
血液のかたまりのことをいいます。血管が狭くなるなどして、流れの悪くなった血液が固まったものです。
血液中のブドウ糖濃度のことをいいます。血糖値が高いと糖尿病、低い場合はすい臓の病気などが考えられます。現在、空腹時血糖値が126㎎/㎗以上で糖尿病とされています。
高血圧には、本態性(一次性)高血圧と症候性(二次性)高血圧の2種類があります。本態性(一次性)高血圧は、原因となる病気がないにもかかわらず年齢とともに血圧が上昇するもので、放置しておくうちに動脈硬化を招き心筋梗塞や狭心症、脳出血や脳梗塞などの病気を引き起こす原因となります。一方、症候性(二次性)高血圧とは腎臓や副腎などの病気によるもので、病気を治すことで血圧は正常値に戻ります。なお、高血圧とは複数回測定された随時血圧において収縮期血圧140㎜Hg以上、または拡張期血圧90㎜Hg以上をいいます。
高脂血症の3つの分類のうちのひとつで、血液中のコレステロール値が高い場合をさします。血液中のコレステロール総量だけが問題ではなく、とくにLDL(悪玉)コレステロールの増加で総コレステロールが多い場合は治療が必要です。動脈硬化が促進され、狭心症・心筋梗塞などの虚血性心疾患を起こす引き金となります。通常、成人の総コレステロール正常値は140~219㎎/㎗、LDL(悪玉)コレステロール正常値は70~139㎎/㎗です。
血液中には主にコレステロール、中性脂肪、リン脂質、遊離脂肪酸の4つの脂質が含まれていますが、このうちコレステロールと中性脂肪の量が多すぎる状態のことをいいます。高脂血症は、高コレステロール血症、高中性脂肪血症、高コレステロール高中性脂肪血症の3つに分類されますが、ほとんど自覚症状がないため放っておくと動脈硬化の原因となり、狭心症・心筋梗塞などの虚血性心疾患や脳卒中などを引き起こすことになります。
高脂血症の3つの分類のうちのひとつで、血液中の中性脂肪値が高い場合をさします。中性脂肪が多いとHDL(善玉)コレステロールが減ってLDL(悪玉)コレステロールが酸化されやすくなるため、動脈硬化の原因となります。また皮下脂肪や内臓脂肪といった脂肪組織に蓄えられることで肥満、糖尿病、高血圧、高尿酸血症(痛風)などを引き起こしやすいことも知られています。通常、成人の中性脂肪正常値は149㎎/㎗以下です。
血液中に尿酸が多すぎる状態です。狭心症・心筋梗塞などの虚血性心疾患の危険因子のひとつでもあり、虚血性心疾患の患者さんには少なからず痛風の合併が見られます。通風を起こす人は肥満が多く、中性脂肪値が高い傾向でHDL(善玉)コレステロールが減っていることが知られています。欧米型の食生活と密接な関係を持っているため、食事バランスとカロリーの取りすぎに注意することが大切です。
人間や動物の体内にある脂質で、とくに脳や脊髄に多く存在していますが、血液、筋肉、脂肪組織、皮膚、肝臓、副腎、小腸などにも多く含まれます。細胞膜の主要な成分で、ホルモンや食べ物の消化吸収に必要な胆汁酸の材料にもなっており、生命維持に重要な役割を果たしています。多くは肝臓や小腸、副腎など体内で合成され、食事で取り入れるのは1日の必要量の約3割ともいわれています。