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ハートのつぶやき~宇宙空間と寝たきりは類似?!

2008年09月01日

古の昔、まだ「月にうさぎがいるかも」と言われていた頃、人間が宇宙を旅するなんて夢のような話でした。しかし、最近では多くの宇宙飛行士が派遣され、宇宙の神秘が少しずつひも解かれてきています。さて、9月12日は宇宙の日。そこで、今回ハートが注目したのは、宇宙空間すなわち無重力状態で身体にかかる負荷のおはなし。

皆さんもご承知の通り、我々地球人は、常に1Gの負荷がかかった状態で立ったり(立位)、座ったり(座位)と、重力に反した姿勢で生活しています。そのため1Gの環境に適応できるよう人間の身体は変化してきました。一方、宇宙空間では0(ゼロ)G、つまり無重力状態になりますので、1Gの環境に適応した我々の身体には、その滞在期間などにより、様々な弊害が生じることが報告されています。骨格などの運動器官は、運動により、機能低下をある程度抑えることができますが、心臓などの循環調節機能に対する耐性は、運動などで機能低下を抑えることができませんので、地球に戻ると、循環調節機能がうまくいかず、血圧が低下し、めまいや立ちくらみになるのです。

もし、重力に対する循環調節機能が備わっていなければ、立ったままでいると、重力に従い足の方に流れる血液量が多くなります。平常、体内で循環する血液量は一定ですので、足に血液がたまると、その分、脳へ送り出される血液量が減り、血圧の低下をまねき、めまいや立ちくらみになります。それらを防ぐために、我々の身体には循環調節機能が備わり、脳への血液量を維持し、長時間でも立っていられることを可能にしているのです。

実は、この無重力状態に近い環境になる場面が、我々の日常生活にもあります。それは、就寝時。身体を横にすると、事実上、重力の影響をあまり受けない状態になります。では、重力を受けないと先程、お話した循環調節機能はどうなってしまうの?と思うでしょう。無重力の状態になると、立っている時に比べ、上半身に血液がたまりやすくなります。そのため、腎臓などへの血液量も増えますので、身体の体液量を維持するために、尿として排泄するので、体液が減少し、次第に血液量も減少していきます。その結果、心臓から送り出される血液量も減少しますので、ここで急に、立ったり、座ったり、重力を受ける姿勢をとると、循環調節機能は体内環境を保つために、いつも以上に働かなくてはならないので、めまいなどをおこすのです。ちなみに、宇宙空間では、下半身陰圧負荷(LBNP: lower body negative pressure)などを用いて循環調節機能をサポートするそうです。

人間にはホメオスタシスといって、外部環境に適応する機能があります。宇宙空間に長期滞在したり、寝たきりの状態が続くと、無重力状態に身体が適応しようとするので、急に重力を受ける環境下、つまり立ったり、座ったりを繰り返す生活に戻ると、身体が異なる環境に適応しようと、いつも以上に働くので、各器官に弊害が生じるというわけなのです。立ったり、座ったり、普段何気ないことでも、それには心臓はじめ様々な器官が微妙なバランスを維持するために盛んに働いているので、皆さん、心臓(ハート)はもちろん、自分の体をもっと労ってあげてくださいね。

■関連リンク:
宇宙医学
http://iss.jaxa.jp/med/index.html

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